David Sanborn <as> (C)Shigeru Uchiyama/Whisper not
デヴィッド・サンボーン(1945.7.30~)ボクがまだニューヨークに行ったことが無く、それでいてNew York には人並みはずれて憧れだけが強かった頃、"New York All Stars" のメンバーとして初めて来日 したデヴィッド・サンボーンを聞いた。ランディ&マイケル・ブレッカー、リチャード ・ティー、スティーヴ・ガッドと共に「歌ってる」サンボーンのアルトはボクの思い をますます高めてくれたようだった。後年、初めてなのに恐れを知らず何と地下鉄に 乗ってマンハッタンをゲットした初めてのニューヨーク行きが実現した時、その騒音の 中でボクの頭の中を巡っていたのは"あの時の"サンボーンの音だった。サンボーンが 「ニューヨークの鼓動」と評されていた事をボクはその時知らなかったけれど‥。
「あっ、これサンボーンだ!」とすぐ判ってしまうサンボーンです。マウスピース をかなり右寄りにくわえるスタイルも独特なら「泣きまくるアルト」と言われるその サウンドもまさに独特の「サンボーン節」。ゆえに、セッションにはひっぱりだこの サンボーンであるからスティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモンやデヴィッド・ボウイなどジャンルを越えた共演者も揚げたらきりがない程。ある時、某日本人ジャズ・ ミュージシャンのレコーディングにワン・トラックだけ参加するサンボーンを撮影し た。数小節の短いフレーズを録るだけだからアッと言う間かな?‥と思っていたら、 何度も何度も何十回も何十テイクもやりなおした完璧主義者のサンボーンでした。
ニューヨークでのボクの楽しみはたくさんあるけれど、ジャズ・クラブ「スイート ・ベイジル」で毎週月曜日に組まれているギル・エバンス・オーケストラの「マンデ イナイト・セッション」もその一つ。「入り」の良くない月曜日に特定のバンドを入 れて「売り」にするのは多くのクラブがやる手だけれど、ここの場合はこのバンドの おかげで月曜日に特に人気が集中してしまう程になってしまった。メンバーは不定、 その日にならないと誰が参加するのか、また一夜に3度あるどのセットに誰が飛び込 んで来るのか未定のワクワク・セッション。ボクのニューヨーク行きの夢を高めてく れた「ニューヨークの鼓動」=サンボーンの「泣きのサックス」をここで聞けるか聞 けないか、ハラハラ・セッションの月曜日の夜でありました。
(C)Shigeru Uchiyama/Whisper not